琳派四百年記念祭 琳派展17 MIHO MUSEUM所蔵 琳派のやきもの 乾山

琳派四百年記念祭 琳派展17 MIHO MUSEUM所蔵 琳派のやきもの 乾山 細見美術館

会期:2015年9月19日(土) - 11月23日(月・祝)【前期】9月19日(土)〜10月18日(日) / 【後期】:10月20日(火)〜11月23日(月・祝)

開催概要

  • 開館時間:午前10時 - 午後6時
  • 休館日:毎週月曜日(祝日の場合、翌火曜日)※9月21・22・23日は開館、24日は休館
  • 入館料:一般1100円(1000円)
    学生800円(700円) ※( )内は20名以上の団体料金
  • 主催:細見美術館 読売新聞
  • 後援:琳派四百年記念祭委員会
  • 特別協力:MIHO MUSEUM

主旨文

 尾形乾山は、尾形光琳の実弟で、江戸時代を代表する陶芸家として知られます。
乾山は京焼の伝統を踏まえながら、広く作陶活動を展開し、琳派のデザイン性を取り入れた大胆な意匠は独創的な乾山様式として人気を博しました。本展ではMIHO MUSEUMの所蔵する乾山焼の優品を一堂に展示します。

 400年に及ぶ琳派の流れの中でも独自の「やきもの」を以て一際ユニークな存在となった乾山。
 自由で文人的ともいえるその作風は、陶芸の世界における琳派の豊かな芸術性を示すとともに、18世紀に大きな飛躍を遂げた京都の町衆文化の象徴とも位置付けられましょう。

展示構成

  1. 1. 琳派のやきもの

    乾山焼きにおける琳派的な意匠の作品を顕彰する。兄光琳の影響を受け、乾山焼きにも琳派風の花の意匠が多く施される。これらの器は、琳派様式の実質的な普及に大きく貢献した。

    •  赤、黄、緑の紅葉(楓)の葉を数枚重ね、これに水流を取り合わせた色彩豊かな向付である。紅葉と水流の図様は、紅葉の名所竜田川を想起させる秋の定番モチーフ。乾山は水面に浮き沈みする葉の複雑な形を以て、独創的な姿の器とした。三色の葉の色合いや波の形は器ごとにそれぞれ微妙な異なりを見せ、雅趣に富む。二条丁子屋町(乾山50歳~69歳頃)時代の作。井上馨旧蔵。

      色絵竜田川図向付
      色絵竜田川図向付MIHO MUSEUM所蔵
      撮影 越田悟全
    • 銹絵百合形向付
      銹絵百合形向付MIHO MUSEUM所蔵
      撮影 越田悟全

       百合の花の形を活かして器としたもの。6枚の花弁を銹絵(黒褐色の鉄釉)で縁取り、底から花弁の先端に向かって蕊が伸びやかに描かれる。大胆にして簡潔なデザインは、まさに百合の花の如く、清雅で力強い。乾山が元禄12年(1699)に開窯した鳴滝泉谷の窯跡から同様の器の陶片が出土しており、鳴滝時代(乾山37歳~49歳頃)の作品と思われる。近代を代表する数奇者、益田鈍翁の旧蔵。


  2. 2. 書画一致の境地

    やきものの絵付けに賛を伴う作品を取り上げる。乾山は漢籍を好む文人でもあり、乾山焼きには漢詩や和歌を賛とする作品が少なくない。乾山は器にも、文人的な気風を活かし、詩画軸の境地を開いたのである。

    •  乾山の兄、光琳が白牡丹を、乾山が漢詩を寄せる兄弟の合作。正方形の角皿を色紙に見立て、絵に漢詩を添える趣向である。乾山は、白化粧地の上に銹絵で自在に描き、その上から透明釉をかけて焼成する独自の技法を編み出し、こうした額絵のようなやきものの世界を創出した。本作で光琳は、闊達な線描で花弁を重ね、水墨画のように濃淡をつけて葉のよく茂るさまを表わし、富貴の花、牡丹の吉祥性をよく捉えている。

      銹絵牡丹図角皿 光琳画
      銹絵牡丹図角皿(光琳画)MIHO MUSEUM所蔵
      撮影 越田悟全
    •  乾山の絵画制作は主に70歳前後に江戸へ移住して以降の作とされる。その多くが和歌や漢詩を伴い、書画一体の境地を伝えている。本図も紅葉が明け方の月に照り映えるさまを和歌とともに描く。散らし書きにした源信明の和歌「ほのぼのと有明の月の月かけに紅葉吹おろす山おろしの風」と、山風に吹かれ谷川に散りゆく紅葉が呼応して、幻想的な情景を描き出している。

      紅葉図
      紅葉図MIHO MUSEUM所蔵(後期展示)

  3. 3. 多様な乾山焼の世界

    乾山焼の中の「唐物写」と呼ばれる一群や、ユニークな作風の器を取り上げる。伝統を重んじながら、進取の気質をも併せ持つ京の好みを反映した乾山焼の多様性をここに見出すことができる。

    •   桔梗の清々しい花の姿を青、白、金で表わし、盃を載せる中央部分の周囲に刀の鐔のように廻らした盃台。花や茎は涼しげな透かし彫りになっており、高い技術が窺われる。花の白泥、染付、金彩による配色に加え、盃台の縁や筒状の胴部にも染付や赤で瑞雲や七宝輪違文などが施され、全体に青と白を基調にしながら艶やかで可憐である。3基知られる乾山の盃台の中でも特に優れ、江戸中期の京都の典雅な好みを象徴している。

      色絵桔梗文盃台
      色絵桔梗文盃台MIHO MUSEUM所蔵
      撮影 越田悟全
    • 色絵雲菊文手付汁次
      色絵雲菊文手付汁次MIHO MUSEUM所蔵
      撮影 越田悟全

       赤地に廻らされた唐草模様と白地に藍の染付で描かれた菊などが華やかに彩る汁次。把手や注口にも雲や縞が配され、幾何学模様と花唐草を組み合わせたデザインは、細部まで行き届いている。中国の陶磁器に影響を受けたこのような唐物写しのやきものは、乾山焼の初期から試みられ、量産化の進んだ二条丁子屋町時代にも積極的に手掛けられた。本作は中でも丁重で高度な作りで、小ぶりながら乾山焼の魅力を存分に伝えている。


  4. 4. 乾山焼の茶碗

    乾山の生まれ育った尾形家は、表千家の茶の湯を嗜む上層町衆であった。乾山の茶碗は独特の雅趣に満ち、京の町衆文化を築く茶人たちの掌にふさわしい。

    •  立葵の花を藍の染付で、葉を銹絵で表わす茶碗。藍色の花は掻落の技法で花弁を示し、複雑な花弁を描く白い花との対比が面白い。立葵は光琳・乾山が好んだ初夏の花で、真っ直ぐに勢いよく伸びる茎と、豊かな花弁を重ねる花の姿がよく取り上げられた。本作では茶碗の胴部に大胆にその一部をクローズアップして、花や葉の色、形が斬新な意匠をみせている。乾山焼の意匠における琳派的な作風を象徴する1点。

      銹絵染付立葵図茶碗
      銹絵染付立葵図茶碗撮影 越田悟全

会期中のイベント

  • 京都国立近代美術館・細見美術館 相互優待のご案内

    京都国立近代美術館の観覧券をご提示頂けますと、団体料金にてご入館頂けます。
    また、細見美術館の入館シールまたは友の会メンバーズカードを京都国立近代美術館にてご提示頂ければ、京都国立近代美術館で開催中の展覧会を割引料金にてご観覧頂けます。

    ※ 展覧会によっては、優待が適用されない場合がございます。詳しくは各窓口までお問合せ下さい。
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    ※ 展覧会によっては、優待が適用されない場合がございます。詳しくは各窓口までお問合せ下さい。