ぎをん 齋藤コレクション 布の道標 古裂に宿る技と美 2017年6月17日(土)から8月20日(日)まで 細見美術館

古裂 人が生きた証し

今に伝わる染織遺品は、その時々最高の素材や技術を駆使して生み出され、権威や富を象徴するものでもあります。本来の役目を終えた小さな断片=裂〈きれ〉は「古裂〈こぎれ〉」とよばれ、茶の湯の世界をはじめ、美術工芸品を守り、引き立てるだけでなく、裂そのものが芸術品として永く大切に愛で伝えられてきました。
 本展は、そのコレクションより中国唐代に遡る貴重な遺品や、民間に流出した最大級の正倉院裂として近年、話題を呼んだ「唐花文錦」をはじめ、中世の綾・錦から近世の辻が花や慶長裂、友禅など東洋染織史を概観できる染織芸術品の数々を紹介するものです。

ぎをん 齋藤
京呉服の老舗「ぎをん 齋藤」は江戸時代から京都・祇園に店を構え、本年で創業176年を迎えます。
7代目・現当主の齋藤貞一郎氏は、染織コレクターとしても知られ、蒐集品に学んで精力的に古典の技法や意匠の復刻に取り組まれています。

主催 :
細見美術館  京都新聞
特別協力:
ぎをん 齋藤
監修 :
河上繁樹氏(関西学院大学文学部 教授・関西学院大学博物館 館長)
協力 :
関西学院大学博物館

展覧会概要

開催期間 平成29年6月17日(土)~8月20日(日)※会期中、展示替有り(7月10日)

開館時間 午前 10 時 〜 午後 6 時 (入館は午後5時30分まで)

休館日 毎週月曜日(祝日の場合、翌火曜日)

入館料 一般:1,200円(1,100円)  学生:1,000円(900円)

※ ( )内は20名様以上の団体料金

※ 障がい者の方は、障がい者手帳などのご提示でご優待
(一般:1,200円 → 1,100円 /学生:1,000円 → 900円)


展覧会のみどころ

齋藤コレクション初公開となる本展では、日本と中国の古裂の二つに大別される本コレクションを五つの章に分けて紹介します。
さらに、「ぎをん 齋藤」の今を起点とし、古い時代へとさかのぼる「タイムトラベル」的な展示構成としました。
各国、各時代の古裂と対峙しに、染織史を巡る旅に出かけてみませんか?


江戸時代 デザインの華と粋

江戸初期に作られた慶長小袖は、黒・赤・白の三色によって地を染め分け、その中にさらに刺繍や絞り染で緻密な文様が配置されるという独自の様式をもっています。
当時の流行の最先端、デザインセンスにご注目ください。

岩に百花文慶長裂(江戸時代 17世紀)

赤地に岩を黒で配色した慶長小袖の特色がみられる絞りであらわした岩の間に、刺繍で松や梅の吉祥の樹木、桔梗、撫子などの秋草を刺繍し、さらに蔦の紋も散らされています。


桃山時代 絢爛たる技の極み

黄金の時代と言われ、自由闊達な気分に溢れた、桃山時代。また、「辻が花」はこの時代の特筆すべき絞り染めです。
こまやかで力強いものから、細やかで複雑な表現まで、今回の展示では桃山最盛期を迎えた辻が花の技を愉しむことが出来ます。

花文辻が花染 (室町~桃山時代 16世紀)

紫根によって染められた紫の練貫地に、絞り染による白上げで花文を散らした本作は、辻が花染の初期のスタイルを残しています。生地の素朴さと力強い絞りが見せる趣は、室町から桃山時代の絞りでないと生み出せない表現です。


飛鳥時代から室町時代 荘厳と雅びの染織

文様・色合い・技法が正倉院宝物の「鳥毛帖成文書屏風」の表装に用いられている錦と一致した本作は、恐らく、江戸時代に同屏風が修復された際、民間に流出した可能性が高いとされる。
そして、これには「天満宮御影御幅 中廻及風袋之裂」という添え書きがあり、「錦を見ると、表具の風帯ほどの細い裂が何枚か継がれているが、その部分は傷んでおり、風帯を斜めに折った線の跡も認められる」と、本展監修者の河上繁樹氏(関西学院大学文学部教授)は述べています。

唐花文錦(奈良時代 8世紀)

近年、齋藤コレクションに加わった民間に流出した最大級の正倉院裂として知られる「唐花文錦」は、染織を探求し続けた齋藤氏の想いが叶えられた、一つの頂点といえます。


インド 海を渡った更紗

インドで発祥し、十六世紀後半、南蛮貿易などで日本にもたらされた「さらさ」。江戸時代、この文様染めの木綿布は、異国情緒溢れる舶載裂として人々を魅力しました。
インド更紗は衣装や茶道具をはじめ、祇園祭の山鉾の懸装品にも珍重されています。

鶏頭手金更紗(インド 17世紀)

茜の濃淡で染め分けた花に、紫の花を加え、茎や葉は緑で彩り、繊細な金線で花や葉をなぞっています。本来、インドの宮廷衣裳として作られた小花模様の金更紗は、贅沢な裂として珍重されました。


中国大陸 よみがえる民族の遺産

齋藤コレクションには契丹族(きったんぞく)、女真族(じょしんぞく)といった狩猟民族の錦や金襴が含まれます。

花兎文金襴(元 13~14世紀)

中でも元代の本作は、狩猟民族にさわしく、野をかける姿で表わされています。
それは名物裂の腰を下ろし、振り向く姿に表わされた花兎とは異なり、まさに狩猟文化が文様化されたものとなっています。


主な出品作品

ぎをん 齋藤コレクション 宝相華文錦 中国・唐時代(7世紀) 細見美術館

宝相華文錦
中国・唐時代(7世紀)

ぎをん 齋藤コレクション 唐花文錦 奈良時代(8世紀) 細見美術館

唐花文錦
奈良時代(8世紀)

ぎをん 齋藤コレクション 蓮華文錦 鎌倉時代(13~15世紀) 細見美術館

蓮華文錦
鎌倉時代(13~15世紀)

ぎをん 齋藤コレクション 牡丹蓮唐草に唐子文緞子 中国・明時代(16世紀) 細見美術館

牡丹蓮唐草に唐子文緞子
中国・明時代(16世紀)

ぎをん 齋藤コレクション 檜垣に藤菊文辻が花染 桃山時代(16世紀) 細見美術館

檜垣に藤菊文辻が花染
桃山時代(16世紀)

ぎをん 齋藤コレクション 雪持ち柳に花輪違い文繍箔 桃山時代(16世紀) 細見美術館

雪持ち柳に花輪違い文繍箔
桃山時代(16世紀)

ぎをん 齋藤コレクション 岩に百花文慶長裂 江戸時代(17世紀) 細見美術館

岩に百花文慶長裂
江戸時代(17世紀)

ぎをん 齋藤コレクション 紋尽手更紗 インド(17世紀) 細見美術館

紋尽手更紗
インド(17世紀)

ぎをん 齋藤コレクション 笹蔓手金更紗 インド(17世紀) 細見美術館

笹蔓手金更紗
インド(17世紀)

ぎをん 齋藤コレクション 御所車に幕模様小袖 江戸時代(19世紀) 細見美術館

御所車に幕模様小袖
江戸時代(19世紀)


イベント


<聴講無料・事前申込不要> ※ただし、別途入館料が必要

ギャラリートーク
  • 日時:6月18日(日)午後2時~ 所要時間約45分
  • 講師:河上繁樹氏
  • 会場:展示室

<有料・事前申込制>

茶室で愉しむアートサロン
『古裂に親しむ』

細見美術館友の会 会員特典はこちら

アートサロンとは・・
美術館のゆったりとした雰囲気の中で、文化・芸術にふれ創造性を高めていただける講座を少人数制で開催いたします。

テーブル席でお抹茶とお菓子を召し上がりながら、学芸員のおはなしをお愉しみください。

  • 日時:6月30日(金) ●午前の部:午前11時~ ●午後の部:午後2時~
  • 会場:茶室 古香庵(細見美術館3階)・展示室
  • 講師:伊藤京子(当館 主任学芸員)
  • 定員:各回15名 ※申込先着順。定員になり次第、受付を終了いたします。
  • 会費:一般 3,300円 ※会費に入館料が含まれます。
    友の会 フレンドシップメンバー 2,600円
    友の会 サポートメンバー 2,200円
    友の会 フェローシップメンバー 無料
  • 内容:担当学芸員によるおはなし・夏越にちなんだお菓子と抹茶・ギャラリートーク
  • 申込期間:6月17日(土)~
  • 申込方法:FAX 075-752-5955、メール[ artsalon0630@emuseum.or.jp ]、往復はがき
    イベント名・参加希望の部・参加人数・氏名・ふりがな・電話番号・FAX番号(ある方のみ)・会員番号(友の会会員のみ)をお知らせください。
  • はがきの書き方
    • [往信はがき]
      文面「イベント名・参加希望の部・参加人数・氏名・ふりがな・電話番号・会員番号(友の会会員のみ)」
      宛名面「〒606-8342 京都市左京区岡崎最勝寺町6-3 細見美術館 アートサロン係」
    • [返信はがき]
      宛名面「郵便番号・住所・氏名」
  • ※1週間を過ぎてもご案内が届かない場合はお電話にてお問合せください。

<聴講無料・事前申込制>

第40回アートキューブレクチャー
『古裂に、学ぶ─染織史から見た 〈ぎをん 齋藤コレクション〉』

細見美術館友の会 会員特典はこちら

  • 日時:8月6日(日)午後2時~ ※所要時間約90分
  • 会場:京都国立近代美術館 講堂(自由席)
  • 講師:河上繁樹氏
  • 定員:100名 ※申込先着順。定員になり次第、受付を終了いたします。
  • 申込期間:6月27日(火)~  友の会会員先行申込:6月17日(土)~  
  • 申込方法:FAX 075-752-5955、メール[ kogire@emuseum.or.jp ]、往復はがき、美術館受付窓口
    イベント名・参加人数・氏名・ふりがな・電話番号・FAX番号(ある方のみ)・会員番号(友の会会員のみ)をお知らせください。
  • はがきの書き方
    • [往信はがき]
      文面「イベント名・参加人数・氏名・ふりがな・電話番号・会員番号(友の会会員のみ)」
      宛名面「〒606-8342 京都市左京区岡崎最勝寺町6-3 細見美術館 アートキューブレクチャー係」
    • [返信はがき]
      宛名面「郵便番号・住所・氏名」
  • ※1週間を過ぎてもご案内が届かない場合はお電話にてお問合せください。

展覧会関連書籍

布の道標(みちしるべ)

ぎをん 齋藤コレクション 布の道標 古裂に宿る技と美 展覧会図録 細見美術館

価格:30,000円 (税込)

ぎをん 齋藤コレクション 布の道標 古裂に宿る技と美 展覧会図録 付属DVD 細見美術館

本書の内容[英文解説付き]
・8世紀~19世紀間の古裂を近世を中心に84点をオールカラーで紹介
・1点ごとに詳細な作品解説

付属DVDの内容
・すべての古裂の詳細画像をJPEGにて収録

  • 序文  泉田玉堂、杉本博司、柳考
  • 著者  齋藤貞一郎
  • 写真  尚永堂
  • 判型  A4変形 (約縦307mm×横242mm)
  • 製本  上製本 (ハードカバー付き)
  • 編集  細見美術館 吉川右香
  • 監修  関西学院大学教授 河上繁樹
  • 発行所 美術書出版 紫紅社


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